孫中山名文、字逸仙。広東香山(現在の中山)出身。(1866-1925)早年に反清を志し、同盟会の総理を務めた。革命綱領と三民主義を確立した。辛亥革命の後、中華民国の臨時大大統領に就任した。北京で逝去する。中国近代民主革命の先駆者である。遺著は『総理全集』など多種ある。
孫さんは書道で有名ではないが、彼の書道作品から顔真卿、蘇東坡、北碑に関する研究に造詣があることがわかる。彼の書道作品は尋常ではない趣を持っている--博大で豪快で、勢いの雄大な榜書作品だけでなく、儒雅で、楽で、格調が清新で、趣の長い行書作品もある。
字法字構造から見ると、顔字の広さと重厚さは依然としてぼんやりと見えるが、作品の中で「神化」され、精神的または境界に溶け込んでいる。魏碑の雄強も作品の中で淡化され、潜移黙化の中で行書作品の全体的な風格に従った。作品の風格から見ると、儒雅風流、清新で自然で、更に“文化”の意味での審美の意味を透かしている。これは中国の近現代知識人の書道芸術の共通点である。例えば周恩来、蔡元培、梁啓超、郭沫若、王国維、魯迅などの名家の作品は、いずれも一つの「文化」の面で、それぞれの異なる書道芸術の風貌と人生の大観を伝えている。その中には、晋韻、唐法を模写したものもあれば、宋、元、明、清の風格を模写したものもあり、篆書を風格として支えたものもあり、漢碑を風格として支えたものもある。孫中山は唐法と北碑を自分の作品の風格の根拠とし、自分の書道芸術の家を構築した。一代の偉人孫中山にとって、一種の自覚か、あるいは一種の不自覚か、いずれにしても、その作品の精神は後世に学習方法の参考を提供した。
孫中山の字は、結体が緊密で、気象が雍容で、大家の風格があり、これは彼の大量の題字と墨跡から見ることができる。彼の書道は練習したものではなく,純粋に心から現れたものだ。「字は人の如し」は彼に完璧な体現を得た。